雑記

不登校から学校に戻った人、学校に戻らず社会に出た人。そこからみえる大切なこと。

不登校と教育機会保護法、NHKのウワサの保護者会でも取り上げられていました

NHKのウワサの保護者会

http://www.nhk.or.jp/hogosya-blog/2017/08/26/

私は偶然この番組を見たんですが、なかなか面白かったです。普段あんまりテレビを見ない自分が、最後までしっかり見ちゃいました。

中でも一番印象的だったのは、

・不登校から学校にもどり進学した方

・不登校から学校に戻らないで社会に出た方

を1名ずつ紹介して、番組にも出演してもらっていたところです。

私は、『どちらの方にも共通していたこと』これが真実で大事なことだと感じました。

2人の元不登校児の方が共通で語っていた事項を書いていきます。

・不登校になったときに『不登校になったことを家族が認めてくれなかった時期』が一番つらかった。逆に不登校になったことを認めてもらってからは家が安心できる場になった。

・いずれの方も、不登校になっても『家族以外の人と接している』『家族以外の人から関わってもらった経験や、アドバイスしてもらったこと』から道が拓けている。

・『好きなことをしていいんだ』『これをしたい、しなければいけない』それに気づくことができて、好きなことを勉強した。

・自分の勉強したいことは学校で教えてくれるものではなかった。

 

かねてから自分も『不登校の児は誰でもいいから、家族以外の人と関わる時間を持たないといけない』と思っていて、『その家族以外の人に自分もなるべきだ』と考え、不登校の児の外来診療にあたっていました。NHKの番組に出演していた2人の言葉は、まさに自分の考え方と一致しており、どれも私の心に刺さりました。

不登校の児を自立させるのは、もちろん『家族が大事』ですが『家族だけでは難しい』んですね。

番組の中で、この不登校を経験してきた2人に、今現在不登校の児を育てている父親が質問する場面があったんですが、これが切なかったです。

元不登校児の1人が参加していた大学生のサークル活動において、大学生のお兄さんからかけられた「高校くらい出ておいた方がいい」という言葉で、元不登校児が一念発起して高校を目指すというくだりがあったのですが、今現在不登校の児を育てている父親がこう質問していました「その言葉は親が投げかけるのではだめなのですか?」。

それに対し元不登校児の方は「うーん、親ではだめだったですかね」という返答をしていました。

親じゃ、親じゃだめなんですね?やっぱり親だけでは。。。

また、自分の知りたいことは学校では教えてくれることではなかった。これも真実ですよね。いわゆる小児型の学習の基本的なスタンスは、『与えられたものを与えられた範囲で勉強する』ですよね。成人型の学習の基本的なスタンスは、『今役立つ知識、明日の何かを変える知識を勉強する』という形なのですが、我々は大人になる過程で、この与えられるだけの状況からどこかで脱却して自ら学ぶ姿勢を手にしていきます。

与えられるだけの学習しかしない大人、自らの頭で考えて知識を習得していくことができない大人は、やはり組織においても上には行けないと思います。

元不登校児のお二方は、この点において、周りの子ども達よりも「ある意味で大人」だったんじゃないでしょうか。与えられるのみの学習に疑問を感じ、それを否定した。否定する一つの表現として不登校を選んだ、そのように考えてもいいかもしれません。

 

このページのまとめ

・不登校の児は、まずは不登校であることを認められることで前に進める。

・不登校の児を自立させるのは、家族が大事だが、家族だけではだめである。

・不登校の児をすぐに復学させない選択肢をとるならば、学校以外にだれか家族以外の人とのコミュニケーションをする場を作ろう。

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